2018年02月19日

「プラグトレイ」に種まき =冬も続く花農家の仕事=

今年は寒さが厳しく、畑の温度計では1月下旬に−20C度近くになりました。

私が32年前伊達に来てから、一番の最低気温でした。気象の変動が大きくなっている事を実感しました。例年は雪の少ない日高地方で、大雪により甚大なビニールハウスの倒壊が発生してしまいました。大変でしょうが、再起される事を願っています。

昨日キュウイフルーツの枝の剪定を始めましたが、枝の色が黒ずんでいるのに気づきました。枝を切ってみると、断面がくすんだ色で、枯れていました。ビックリしました。キュウイフルーツの枝の耐寒温度が−15度Cである事は、文献で知っていましたが、ガックリしました。後はは春に根元近くから新しい枝が出てくれたらと、樹木医としても願うだけです。

昨年の秋には、スターチス・ゴデチャ・ナデシコなど種まきをスタートしていますが、2月になり本格的に「種まき」から農作業がスタートです。

外気温はマイナスですが、日光が当たればビニールハウスの中は20度C以上になります。もちろん夜間はマイナス気温なので、電熱線で播種床を加温します。

以前は育苗箱という箱の中全体に用土を入れて、溝を切って種を撒いていました。現在はセルトレイまたはプラグトレイと呼ばれる、小さく仕切りがついたマスの中に種を撒きます。こうする事で定植時に、根を崩して痛む事を防ぐ方法を取ります。

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写真はヒマワリの種まきで2月初めに播種しました。一つのマスに3粒を入れて土をかぶせます。4〜5日で発芽が始まり、一か月ほどで定植になります。ヒマワリの場合、小さなマスの中に3粒の種を撒く事により、密植状態で育てます。こうする事で細長い茎に小さく花を咲かせる事ができます。更に定植してからも、大きく育たないよう「葉取り」などの技術的工夫を凝らします。

昨年から育ててきた苗は、まもなくハウス内に定植の時期を迎かえます。外の景色はまだ冬ですが、ビニールハウス内は、もう無理やり春です。

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posted by 管理人 at 13:00| 日記

2018年01月14日

樹木の耐凍度

   樹木の生育には年間を通しての温度・降水量や土壌条件などが関係している。本州で生育する樹木が北海道で生育できない大きな理由に、どの程度の低温に耐えるのかという耐凍度がある。伊達では、時折ヤブツバキが庭に生育しているのを見たりするが、暖かい地域で生育する木なので、樹勢が今ひとつという感じがしている。

   それで耐凍度を調べてみると、ヤブツバキの生育北限地、青森県夏泊の採取枝では−18℃だそうだ。他の樹種では常緑樹のシラカシで−15℃、富有カキで−15℃、ネムノキで−17℃、スギで−20℃である。この数値をみれば、他地域からの移入木は落葉樹・針葉樹で、耐凍度−15℃以下であれば道南地方で何とか生育はできる事が伺える。

それでは道内で自生する樹木の耐凍度を調べると、ミズナラ・エゾヤマザクラで−30℃、カツラ・ハルニレで−45℃、ナナカマドで−70℃、シラカンバでは実に−120℃、針葉樹のトドマツで−30℃である。道内に自生している樹木がいかに寒冷な気候に適しているかが分る。

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(だて歴史の杜公園=市民の森づくりの会による自生木植樹:11年目)

二酸化炭素削減が大きな課題になっている今日、公園緑地など市街地の基本的緑には、写真のようなミズナラ・オニグルミ・ヤチダモ・ガマズミなど寒さに適し、大きく健全に育つ地域の自生木を数多く植えたいものです。

posted by 管理人 at 14:14| 日記

2017年12月09日

樹木の休眠

北海道では冬の寒さに備えて多くの樹木が葉を落とし休眠します。葉を付けているより、落とした方が、樹体内のエネルギーを維持できるからです。樹木は栄養分を作り出す光合成が、冬期間気温低下の為効率が低下します。逆に葉を付けている事による、エネルギーの消費損失の方が大きくなってしまいます。冬期間も葉を付けている針葉樹は、葉を硬く針のようにして、エネルギーの消費を最小限に抑え込んでいます。

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(ブナ 樹齢40年: おぐら農園で生育中)

樹木の休眠には日長・気温・水分の変化などが影響して、生長抑制ホルモンが増加すると言われています。樹木の多くは夏期の花芽分化後、休眠に向けてアブシジン酸というホルモンが葉で形成されます。葉・花芽は9月から10月にかけて休眠に入りますが、それ以前に暖かい日が数日続くと生育してしまい、葉が伸長したり、花が開花して「狂い咲き」という現象になります。春になるまでに休眠は解除されますが、その解除条件は7℃程度以下の低温に一定期間会う事だそうです。その期間は樹種により異なりますが1月初・中旬までには休眠は解除されるようです。この時にジベルリンというホルモンが関係するといわれています。

冬期間に花芽の付いた枝を切り取り室内で咲かせるには、休眠が解除された2月になるのを待って、枝を切り取らなくてはなりません。

このように植物は自然に則って、とても合理的に生活している事が分かります。

posted by 管理人 at 11:38| 日記
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